不動産活用

空き家放置の5つの危険

2019年9月の総務省「住宅・土地統計資料」によれば、空き家の数は全国で849万戸となり、過去30年で2倍以上に増加、空き家率は全戸数の13.6%に達しました。
空き家の取得原因として、相続が過半数を占め、空き家の所有者の約4分の1が遠隔地に居住しています。経済活動、産業構造の変化は少子高齢化・人口減少等の社会構造の変化により、空き家は大幅に増えていくことが予想されます。

空き家増加の原因としては、相続等で空き家を取得した所有者が費用負担の問題で空き家を放置してる現実があります。国土交通省の調査によれば、空き家にしておく理由としては、「物置として必要だから」ついで「解体費用をかけたくない」「取り壊すと固定資産税が高くなるから」という回答が多くを占めています。

空き家はその所有者の過半数が65歳以上のリタイア組であり、費用負担してまで空き家を有効利用してみようとういう積極的気持ちにはなりにくいのが現状のようです。とはいえ、管理不全の空き家の放置は防災・防犯、衛生、景観など生活環境の悪化をもたらたし、地域経済への影響も大きいと言えます。

空き家放置の危険をまとめてみました。

1.家の傷みや劣化が加速する危険

換気できない、通水できない、雨漏り放置は家の基礎部分や柱を劣化させて建物が倒壊するなどの大きな事故を招くこともあります。

2.防災・防犯上の危険

人の気配がなかったり、雑草などの生い茂った家は、不法侵入や不法投棄、空き巣などの被害にあう危険性が高いです。
放火であっても、家の所有者に損害賠償責任が問われる場合があります。

3.近隣トラブルの危険

生茂った雑草や落ち葉が近隣で迷惑行為になるばかりか、倒木で近隣住宅や車の破損事故に発展する恐れもあります。
将来更地として売却する場合に、近隣とのトラブルが原因で境界確定協議にご協力いただけないという事態が生じる可能性もでてきます。

4.多額の賠償金支払いの危険

空き家所有者には工作物責任(民法717条)がおよぶことになり、建物の崩壊などに起因する事故で、設置や保存に瑕疵がある場合は、自己に責任がなくても責任を負わなければなりません(無過失責任)。
公益財団法人日本住宅総合センターが実施した「空き家の発生による外部不経済の実態と損害額の試算に係る調査」では、空き家発生による外部不経済の損害について次のとおり試算しています。
  ●火災による隣接家屋の全焼・死亡事後(推定)
     物件損害等   1,315万円
     人身損害    5,060万円
  ●倒壊による隣接家屋の全壊・死亡事故(推定)
     物件損害等   1,500万円
     人身損害    19,360万円
   ●シロアリ・ネズミの駆除被害(推定)
     物件損害額    23.8万円
  ●外壁材の落下による死亡事故(推定)
     人身損額    5,630万円

これらの想定の試算のうち、火災による場合は、重過失がある場合のみ損害賠償責任を負いますが、工作物責任との関係は、裁判所でも立場が分かれており、損害賠償責任を負う危険も想定されます。
空き家所有者は、賠償責任保険が付保されている保険に加入していない場合は、損害賠償責任は直接所有者に及ぶことと、共有である場合は、共有者全員が連帯してその責任を負うことをしっかりと認識することが必要です。

5.特定空き家に認定される危険

2015年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」により認定された家屋の所有者が、自治体の指導に基づいた改善を怠った場合、50万円以下の過料が科されるようになった他、固定資産税の軽減措置から除外され、大幅な増税が行われるようになりました。

 国土交通省「空き家等対策の推進に関する特別措置法」
 http://www.env.go.jp/nature/np/parkarikata/zigyou01/mat02-5.pdf

先の国土交通省の調査によれば、駅から1㎞以内で、簡単な手入れにより活用可能な空き家は全国で約48万戸にも及びます。

空き家を所有されている方は、管理不全による危険を理解した上で、空き家の有効利用も是非検討してみてはどうでしょうか。

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更新日 2022年3月10日(木)3:30